45戸の小さなマンションなので、予算や負担を出来るだけ抑えたい。それでいて管理組合主導で実施したい。重松マンション管理士事務所なら、そんな希望を本音で相談できそうだと感じました。前回と同じ責任施工方式でしたが、工事費用や負担を抑えることができ大変助かりました。
前回管理会社主導の「責任施工方式」で行った大規模修繕工事を見直し、2回目の今回は第3者に入ってもらって進めることを検討していたという、東京都内マンションC管理組合様。なぜ「責任施工方式」を見直すことにしたのか、そして、第3者としてマンション管理士事務所を選んだのか、その経緯や実際の大規模修繕工事の様子など、管理組合理事長、横塚秀章様にお話をお伺いしました。
竣工 | 1983年 |
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戸数 | 45戸 |
マンション形態 | ファミリータイプ |
管理形態 | 管理会社に全面委託 |
主な支援内容 | 大規模修繕工事コンサルティング・支援 |
――なぜ大規模修繕工事のコンサルタントをマンション管理士に相談しようと思ったのですか?
第2回目の大規模修繕工事の時期になったので、修繕委員会を立ち上げて実施方法などを検討することにしました。前回は管理会社が勧める施工会社に「責任施工方式」でお願いし、特に大きな不満はありませんでしたが、責任施工の場合は、価格交渉がやりにくい(価格の妥当性を判断しにくい)ことや建前上は工事の品質管理を自分たちでやらなければならいので、当時の理事会の負担が結構大きかった記憶があります。
また、今回は修繕だけでなく、設備も含めた建物診断や、工事後に長期修繕計画書を作成することも考えていましたので、委員会や理事会の負担はさらに大きくなりそうだと思いました。そこで、信頼できそうな第3者に入ってもらい、アドバイスを受けながら進める方針を決定しました。
ですから、その時はまだマンション管理士事務所にお願いすることは決定しておらず、設計事務所による「設計監理方式」も検討していました。
――どのようにして重松マンション管理士を知り、業務を依頼しようと考えたのですか?
先ほどお話したとおり、第3者を起用して進めることは決めていましたが、どの方法がよいかをインターネットで検索しながら検討していました。その結果、改修工事専門の設計事務所と重松マンション管理事務所が対象としてあがり、それぞれにヒアリングをすることにしました。
ヒアリングは、修繕委員のほか理事にも出席してもらい勉強会形式で進めましたが、重松さんは私たち素人にも分かりやすく説明してくれるので、出席者にも評判が良かったです。
また、いろいろ調べていくと、専門の設計事務所に建物診断から設計、監理、長期修繕計画の作成までを依頼するとかなりの金額になることも分かりました。
45戸という私たちのマンションの規模では資金力に限りがあるので出来るだけ費用を抑えたかったですし、それでいて管理組合主導で円滑に大規模修繕工事を実施したいと考えた場合、重松マンション管理士事務所なら本音で相談できそうだと感じたので、大体の希望予算も話して相談することにしました。
――相談した結果はどうでしたか?
管理組合の基本的な考え方を聞いた重松さんは、今回は「責任施工方式」で進めたらどうかという提案をしてくれました。
しかし、先ほどもお話したとおり、前回やった「責任施工方式」ではなく「設計監理方式」を検討していたので、最初に聞いたときは正直「えっ」という感じでした。
繰り返しになりますが、理事会の負担を減らしたいということもありましたし、責任施工方式だと価格交渉がやりにくく、工事費用を少しでも安くしたいという思惑が外れると思ったからです。
しかし、責任施工方式だと安くならないというのは誤解で、統一した仕様書を基に複数の工事会社に見積りを依頼し、その後内定した業者とさらに話し合いや検討を進めることで価格は安くできることを説明してもらい、納得しました。
また、設計事務所に建物診断から設計、監理などを依頼するとかなりの金額になることがわかっていましたが、設計コンサルタントに支払う設計監理の費用は一般的に300万円〜400万円とのことで、今回の予想工事費3000万円に対してかなり割高になってしまうこと、もちろんその分トータルコストがかなり増えるということも、重松さんが「責任施工方式」を提案した理由でした。
加えて、理事会の負担という面でも、「責任施工方式」ならば多少抑えることができるということと、重松マンション管理士事務所が工事期間中も間に入って全面的にサポートしてくれるということで、特に心配入らないことがわかりました。
「責任施工方式」と聞いて最初は「えっ」と思いましたが、少しでも安く、少しでも負担を少なく、というこちらの希望をふまえての提案だったのです。
そのようなやり取りが数回続き、今回は重松マンション管理士事務所に業務を依頼することにしました。
――契約後の業務内容はどうでしたか?
まず、1級建築士事務所に依頼して入札用の共通仕様書※1を作成してくれました。
それを基に、管理組合が選定した複数の工事会社に見積りを依頼し、さらにヒアリング等を実施したうえで理事会で1社を内定し、その後はその業者と詳細な打ち合わせを行いながら進めていきました。
見積もりの比較や業者の選定は、私たちにとってすごく重要で関心も高い部分ですが、単純な見積もり金額の比較表とか、専門用語だらけの難解なものではなく、素人の私たちにもわかりやすく、また、会社概要なども含めてトータルで比較・判断できるような詳細の業者比較一覧表※2を作ってくれたのは良かったです。
また、談合が行われる可能性もあると聞いていましたが、各項目の単価比較など細かくチェックしてくれました。結局談合の疑いはないとのことでしたが、複数の工事会社に見積もりを取り交渉した結果、工事費用は予想工事費※33000万円に対して12%ほど抑えることができました。
予想工事費は「実勢価格」にかなり近い金額と聞いており、あまり安くならないだろうと思っていたので、12%も安くなったのは大変助かりました。
――工事期間中はいかがでしたか?
臨時総会で工事会社が承認された後は住民説明会を経て工事が始まりましたが、私たちは、平日は自分の職場に勤務しているため、重松マンション管理士事務所には、工事期間中の定例会議に出席してもらいました。
また、管理組合側のスタッフとして工事の進捗状況や問題点の報告、工事会社と管理組合の調整など「通訳」のような業務をやってもらい、大変助かりました。
委員会や理事会の負担が気になっていたことの一つなので、工事期間中のサポートは本当に有り難かったです。完成図書の確認作業まできちんとやってくれましたが、工事が始まってからは、本当にもう、安心してお任せしっぱなしという感じでした。
長期修繕計画書を作成した後は、現在の修繕積立金を若干値上げする必要性などもアドバイスしてもらい、約1年半の契約が終了しました。
▼竣工検査当日の様子はこちら
――重松マンション管理士事務所に支払った報酬はどのくらいでしたか?
建物診断・報告書、共通仕様書の作成、工事期間中の毎週の定例会議出席、工事完了後の竣工図書のチェック、長期修繕計画の作成まで全てを含めて200万円程度でした。同様の業務を専門の設計事務所に依頼するとこれよりはるかにかかることが分かっていたので安いと思いました。
また、臨時総会の議案書作成や住民説明会の開催などについてもいろいろとサポートをしてもらい、心配したほど私たちの負担が増えなかったので、マンション管理士事務所に依頼してよかったと思います。
――その後、管理会社変更を行うとのことでしたが、いかがでしたか?
実は、以前から管理会社に対して不満があり、管理会社のリプレイス(変更)を考えていたのですが、重松マンション管理士事務所には、大規模修繕工事のコンサルタント契約中にそちらの方面でもさまざまなアドバイスをもらい助かりました。
お陰様で、その後管理会社の変更も問題なく行い、現在はきれいになったマンションで快適に過ごしています。
ご協力ありがとうございました。