4.私たちのスタンス

 適正なマンション管理をしていく上で、私たちはみなさまや管理会社とどのように関わっていくことがよいのでしょうか。独立早々にわかった確かなことは「どんなに私が優秀で、また、精一杯ご奉仕しても、当事者でない外部の人間には限界がある」ということです。それ以来、貫いている私たちのスタンスとは何か、ご紹介させていただきます。

1.マンション管理の主体はあくまでも管理組合である

 マンション管理の善し悪しでもっとも重要なことは何だかおわかりでしょうか?

 管理会社?理事長?IT化?それともマンション管理士?

 どれも必要な要素の一つになり得るものですが、私たちの答えは「管理組合」です。
 もっと言えば、「全ての区分所有者のマンション管理に対する意識の高さ」ですが、

 「マンション管理の主体はあくまでも管理組合である」

 当然と言えば当然ですが、これが私たちのマンション管理に対する基本的な考え方です。

 2000年に施行された「マンション管理適正化法」には、その第4条において「マンションの管理組合は、マンション管理適正化指針の定めるところに留意して、マンションを適正に管理するように努めなければならない。」とあり、また、同第2項では「区分所有者は、マンションの管理に関し、管理組合の一員としての役割を果たすように努めなければならない。」とあります。

 いずれの文末にも「努めなければならない」とありますが、この法律によって、マンションという個人資産の管理に対して、区分所有者の責務(努力義務)が法律で明示されたのです。現在は努力義務違反についての罰則規定はありませんが、従来、一戸建てを含む個人の住宅(私有財産)の管理に対して公(役所)が口を挟むことはありませんでしたので、極めて異例とも言える内容なのです。

 私たちは、決して「マンション管理適正化法」に明文化されているから「マンション管理の主体はあくまでも管理組合である」と考えているわけではなく、実際に多くの管理組合のみなさまのお手伝いをさせていただいた経験からそういう結論に達したわけですが、主体性のない管理組合は、行政や管理会社やマンション管理士がどのような形で関係しても最終的には適切なマンション管理は不可能です。もちろん向上はしますが、どんなに私たちが優秀で、また、どんなに精一杯ご奉仕しても、当事者でない外部の人間には限界があるのです。

2.私たちは管理組合のみなさまのよきパートナーである

 ただ、主体性を持ってやりたいと思っても、現実的には、専門知識はあるが割ける時間がないために思うように進まなかったり、あるいは、費やす時間はあっても専門知識がなく思うように進まなかったり…。専門知識の不足や時間的な制約のせいで、思うようにいかないことの方が多いのではないでしょうか?

 そこで私たちの出番となるのです。

 つまり、自分たちのマンションの資産価値を守り、良好なコミュニティーを作り上げたい。しかし、自分たちでは思うように進めることが出来ない。というマンション管理組合のみなさまをサポートしていくのが、私たちの役割だと考えています。

 ですから、みなさまの負担を軽減させることは私たちの重要な業務の一つ※1ですが、決してみなさまの業務を代行する請負業者な存在ではありませんし、また、丸投げのような形でマンション管理を任せてしまいたい、というご要望にお応えすることも出来かねるのです※2

 マンション管理組合のみなさまが、よりよいマンション管理が出来るように、より円滑にマンション管理が出来るように、

 「みなさまのよきパートナーとしてサポートしていく」

これが、私たちのマンション管理士としての役割であり、基本的なスタンスです。

※1:業務によっては書類作成の補助や会計補助などを含め、みなさまの負担を軽減出来るようなサポートをしております
※2:役員のなり手がいないマンションなどでは、当事務所のマンション管理士が「管理者」に就任し、理事長として理事会運営の煩雑な部分を、主体性を持って執行することもあります。詳細は 管理者業務をご参照ください

3.管理会社も大切なパートナーである

 昨今、週刊誌や新聞等で管理会社の悪徳ぶりが強調されることもあって、管理会社を変更する管理組合が増えておりますが、私たちは、原則として「管理会社の変更」や「自主管理への移行」はお勧めしておりません。

 なぜならば、管理会社も管理組合にとって重要な「パートナー」であり、また、自主管理は区分所有者のそれなりの覚悟がないと実際に運営していくことが大変だからです。

 管理会社と管理組合のトラブルは一方的に管理会社だけの問題ではありません。
管理費の削減を要求しながら、それに見合わないことを一方的に管理会社に押し付けようとしても、残念ながらうまくいきません。

 「管理会社もパートナーであり、緊張感のある信頼関係を構築する」

 私たちは、管理組合がしっかりして「管理会社と役割分担をうまく実施する」または「管理会社の本来の能力をうまく引き出す」ようになると、本当の信頼関係が構築でき、よりよいマンション管理に繋がるのではと考えています。

 以上が、私たちが適正なマンション管理をしていく上で大切だと考えている3つの基本概念です。


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