マンション管理適正化法やマンション管理適正化指針、マンション管理標準指針には、たびたび「適正」という言葉が出てきます。「これからも住み続けたい!と思えるマンション」を創っていく上でも必要な「適正なマンション管理」とはどのようなものを指すのか。私たちがどのようにお手伝いをしていくことが適正なマンション管理に繋がるのか、私たちの考えをお話させていただきます。
具体的な業務内容を言葉で端的に表現すると、このホームページに別途掲載しているサービス案内や、2005年12月に公表されたマンション管理標準指針※1にあるような項目になるのですが、当然ながら管理規約にしても長期修繕計画にしても、具体的にやるべきこと、考えなければいけないことはマンションそれぞれで違います。結果、出来るものもそれぞれ違ってきます。「私たちが目指すマンション管理とは」でも似たようなことを書かせていただきましたが、杓子定規的にこれとこれとこれをすればよい、とか、こういう形になればよい、とはいかないのです。
ですから、私たちはまずみなさまのことをよく理解する必要があります。可能であれば「かかりつけ医」のように、常に、もしくは、定期的かつ長期的に状況を把握しておくことが理想的です。そうすることで、内外の環境(状態)の変化にいち早く対応出来るからです。
※1:分譲マンションの維持・管理に関する重要事項に関して、留意すべき事項を指針として定めたもの
マンション管理標準指針 - マンション管理用語集 [ マンションサポート・ドットコム ]
次に、それぞれのマンションにとって、より適切だと思う方向性(目標)や将来像を、みなさまと一緒に考え、明確にする必要があります。それぞれの業務は一見してバラバラのようですが、実は繋がっているからです。
例えば管理費(管理コスト)の削減。もちろん、これのみ単独で考え実施することは可能ですが、「とにかく1円でも多くコストを削減する」というのと「10年後はマンションの高齢化がかなり進むので大規模修繕で高齢化に対応した形にしたい」という将来のマンション像(目標)があるのとでは、どのコストをどのようにカットし、カット出来たコストをどのように活用するかは大きく違ってきます。
カット出来たコストをそのまま修繕費用に積み立てることも考えられますし、その間に駐車場等の敷地内の構成を検討する必要があるかもしれませんし、防犯対策やIT化などの検討をしていく必要があるかもしれません。場合によっては、高齢化で理事のなり手がいなくなることを想定し、とりあえず長期修繕などとは別枠で積み立てをしておく、ということも考えられるかもしれません。
こうした計画や課題は当然マンションによって異なり、それぞれにおいて長期的視野できちんと引き継ぎをしながら必要に応じて継続的に検討や実施が必要になりますが、議題に上がりながらも理事の入れ替わりと同時にうやむやになってしまったり、方向性が大きく変わってしまったりすることが多いのではないでしょうか?
方向性(目標)が明確になった上で、それを実現するために、それぞれの分野や問題、課題ごとに検討・施策の実施をいたします。
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私たちが目指す「これからもここに住み続けたい!と思えるマンション」づくりは、マンション管理標準指針にあるような最低限やるべき事項をきちんと押さえた上で、上記のようなプロセスを経て、個々のマンションに合ったマンション管理を継続的に行うことで実現に近づけると考えています。そしてまた、それが「適正なマンション管理」と言えるものだと考えています。
以上は適正なマンション管理をする上での実務的な話でしたが、適正なマンション管理をする上でもう一つ重要なことがあります。それは、私たちとみなさま、管理会社との関わり方です。